熊本地方裁判所 事件番号不詳 判決
事務所
熊本市本市町三百二十三番地
合資会社
清藤鉄工所
本籍並に住居
前同所同番地
右代表社員
清藤卯八
当五十九年
本籍
山口県下関市唐戸町一番地
住居
熊本市一番被分四十番地
清藤鉄工所会計係
藤村実
当三十五年
右被告人合資会社清藤鉄工所に対する法人税法違反並に取引高税法違反被告人清藤卯八に対する法人税法違反被告人藤村実に対する取引高税法違反の各被告事件につき当裁判所は検事某関与の上併合審理して左の通り判決する。
主文
被告人合資会社清藤鉄工所に対する判示第一の事実と第二の(1)の事実に対し罰金百七十九万円に、
判示第二の(2)の(1)の事実に対し罰金百七十九万円に、
判示第二の(2)の(ロ)の事実に対し罰金二千円に各処する。
被告人清藤卯八に対する判示第一の事実に対し懲役八月に処する。
被告人藤村実に対する判示第二の(1)に対する事実につき罰金三千六百円に、
判示第二の(2)の(イ)の事実に対して罰金四百八十円に、
判示第二の(2)の(ロ)の事実に対して罰金百二十円に各処する。
被告人藤村実が罰金を完納することが出来ないときは金二百円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は全部被告人等の連帯負担とする。
理由
第一、被告人合資会社清藤鉄工所は機械器具の製造加工修理並に販売等の業務を営むもの、被告人清藤卯八は被告人会社の代表社員として業務を執行するものであるが、被告人清藤卯八は被告会社の業務に関し昭和二十四年一月十三日に同二十二年一月一日から同年十二月三十日迄の被告人会社の法定事業年度の法人税確定申告書を熊本税務署長に提出するに当り法人税を免れる為同事業年度の所得総額は八十八万二千四百六十一円であるのにも拘らず、十二万九百三十円であると虚偽の申告をし以て同年度分の法人税金四十九万五千六百六円を逋脱したものである。
第二、被告人合資会社清藤鉄工所は機械器具の製造加工修理並に販売の業務を営む者、被告人藤村実は同会社の会計係として同会社の会計事務を担当している者であるが、同会社は取引高税の納税義務者で何等法定の除外理由がないのに
(1) 被告人藤村実は会社の業務に関し肩書の事務所において左記取引に関し備付の帳簿に取引の内容、金額、税額取引年月日、取引の相手等を記載しなかつたものである。
左記
<省略>
(2) 被告人藤村実は会社の業務に関し肩書の事務所で左記の取引に関し取引額領収の際取引高税の税額に相当する金額の取引高税印紙を消印しなかつたものである。
左記
<省略>
以上の事実は検察官提出の領収綴(十二冊)領収証控(六冊)出荷案内書(一通)総勘定台帳(二冊)各種原簿金銭出納簿(四冊)製造指令書綴(四冊)棚卸調(二冊)伝票(二十三冊)の存在並に被告人の当公廷におけるその旨の供述
当審証人田代国雄同岩井仁士同青木重利の各供述
検察事務官の福田金次、橋本正に対する供述調書
大阪銀行作成の証と題する書面
三星工業株式会社作成の内訳書
検察事務官の田中松五郎に対する供述調書
清藤鉄工所作成の領収証
検察事務官の青木重利に対する供述調書(紙片添付)
検事の家郷に対する供述調書
検事の清藤昇八に対する供述調書
大蔵事務官尾方清一郎、同田代国雄作成の告発書(法人税関係逋脱合計表取引高税逋脱表添付)
大蔵事務官作成の被告人会社に対する臨検捜索調査顛末書
被告人会社代表社員被告人清藤卯八作成の棚卸脱洩分調書
被告人清藤卯八作成の法人税関係逋脱合計表
被告人会社作成の在庫品棚卸明細書
熊本税務署作成の被告人会社に対する納税告知書
被告人会社定款写
被告人会社代表社員被告人清藤卯八作成三星工業株式会社に対する領収証
被告人会社より日本窒素肥料株式会社に対する支払明細書(二通)
検察事務官の山川元一に対する供述調書(被告人会社発注品一覧表添付)
検察事務官の被告人藤村実に対する供述調書(第一、二回)
検事の被告人清藤卯八に対する供述調書中
各その関係部分につき前文判示事実に照応する記載あるによりこれを綜合して認められるから犯罪の証明は充分である。
法律に依れば被告人等に対する判示事実中法人税逋脱の所為は法人税法第四十八条、第五十一条に取引に関し記載すべき事項を記載せざりし所為は取引高税法第三十二条、第四十四条に取引高税印紙を消印しなかつた所為は取引高税法第十三条第一項、第四十一条に該当するが各刑法第六条を適用し、被告人会社に対する判示第一と第二の(1)の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に対しては罰金刑を選択するが併合罪だから、情状重き判示第一に刑法第四十五条前段第十条第四十八条の一項により併合罪の加重を為し主文の如く量定処断し同被告人会社に対する判示第二の(2)の(イ)(ロ)に対しては各前記取引高税法第十三条第一項、第四十一条の外更に第四十七条を適用して各主文の如く量定処断し被告人清藤卯八に対しては前記税法第四十八条所定刑中懲役刑を選択し、所定刑期の範囲内で主文の如く量定処断し被告人藤村実に対する判示第二の(1)の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に対しては取引高税法第四十四条処定刑中罰金刑を選択するが以上は併合罪だから情状重き判示第二の(1)の(ロ)の罪に刑法第四十五条前段第十条、第四十八条の二により併合罪の加重を為したる所定金額の範囲内で主文の如く量定処断し、同被告人に対する判示第二の(2)の(イ)(ロ)に対しては前記取引高税法第十三条第一項、第四十一条の外更に取引高税法第四十七条を各適用して各主文の如く量定処断する。被告人藤村実が罰金を完納することが出来ないときは刑法第十八条により金二百円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項第百八十二条により全部被告人等の連帯負担とする。
仍て主文の如く量定処断する。